EARTHWATCH JAPAN

富士山絶滅危惧種「ミヤマシジミ調査」


☆平成17年5月14〜15日:アースウォッチジャパンプロジェクト「富士山麓絶滅危惧種ヤマトシジミの調査」に参加してきました。
 シジミチョウの仲間は、アリと共生しているものが多く、食草と共生関係にある蟻とその他の自然環境との複雑な生育環境のもとに棲息しているという謎の多い昆虫です。
そのため、生息域や個体数が急激に減少している種類が多く、絶滅の危機に瀕しているものが、少なくありません。今回の調査対象、「ミヤマシジミ」は、食草が「みやこぐさ」で蟻との共生が確認されています。
しかし、その生育地は、減少し、絶滅が心配されている種の一つです。富士山麓でも、自衛隊の富士山麓演習地内にわずかに生息している状態で、絶滅危惧種になっています。
 富士山ネイチャーズセンターの渡邊通人氏 (河口湖フィールドセンター自然共生研究室 室長)を中心とした研究調査に参加してきました。

最初の調査地点(早川河岸の
こまつなぎ自生地で)(2005.5.14)
富士演習場内にある生息地の
調査(2005.5.15)
こまつなぎ(まだ芽吹きの段階だ)
こまつなぎ株の拡大 画面中央にいる緑の虫が4令幼虫
近くにクロオオアリの巣を確認
もうすでにミヤマシジミ(成虫)が
確認できた
捕獲して、汚損度を5段階で評価
(羽化ご間もない個体だった)
羽根に番号を付けて 開放する(始め元気がなかったが
やがて飛び去った)

<考察>
☆ シジミ蝶の仲間には、ありと共生(助け合って生活する)するという大変不思議な習性がある。ミヤマシジミは、くろあり、くろおおありと共生していることが、今までの研究で確かめられている。今回の調査でも、幼虫に付き添っているありが2〜3頭いて、マーキング(ありの体に印をつける)の結果同じありがいつも付き添っていることが分かった。幼虫の住むこまつなぎの株の近くには、必ずありの巣があることも確認された。
☆ 幼虫は、さなぎになるときは、ありの巣の中に自分で入り、また、ありは幼虫のさなぎになる部屋を広げてくれるというので、大変不思議である。
☆ ありとの共生という複雑な生態を持っているので、個体数を増やすのもかなり難しいのだそうだ。
☆ つくば市内の「シジミチョウ」でも同様のことが確認されるかどうかも調べてみたいと思う。


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